大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)4508号 判決

しかし再犯加重の原由となるべき事実は盜犯等の防止及び処分に関する法律第三条所定の常習累犯強(窃)盜罪の構成要件をなす場合は格別として単に刑法第五六条第五七条の適用を受けるに過ぎない再犯加重の場合には罪となるべき事実ではない。従つて検察官が公訴事実として起訴状に記載し審判の請求をなすべき事件の範囲に属することなく、裁判所が職権で取り調べ且つ認定することができる事項に属する。今これを本件について考察すると、本件が刑法第二三五条に該当する窃盜罪となるべき事実を訴因とする被告事件であつて、原判決の認定に係る再犯加重の原由をなす原判示受刑の事実が起訴状に記載されていないこと及び本件起訴状の訴因及び罰条が変更されていないことは洵に所論のとおりである。しかしながら原判決は右受刑の事実を証拠能力があり且つ適法に証拠調をした原判決引用の各証拠書類に依り職権で認定し、これに対して刑法第五六条第五七条を適用し適法に再犯加重をしたことは記録上明らかであり、しかもこの再犯加重をするに当つて本件公訴にかかる犯罪が如何なる罪と再犯の関係にあるかということは、原判決の判文自体に照し具体的に明示されており何等間然するところがない。即ち原判決には所論のように審判の請求を受けない事件について判決をしたり又判決に理由を附せなかつたという違法は毫末も存在せず論旨は理由がない。

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